シミやくすみ、そばかすの要因として知られているメラニン。一般的には、肌に悪いもののように認識されていますが、実は肌にとって大事な色素でもあります。今回の記事では、そんなメラニンの役割について詳しく解説していきます。
メラニンは、メラノサイトから産生される色素のことです。私たちの肌は、数多くの細胞によってつくられていますが、この細胞は紫外線のダメージによって壊れたり、死滅したりします。それを防いでくれるのがメラニンです。メラニンがあることによって、人の肌は紫外線のダメージから守られ、健康的で安定した状態を維持できています。
前項でも軽く触れましたが、メラニンは紫外線から肌を守ってくれます。これが、メラニンの最も重要な役割の1つです。
また、メラニンには活性酸素の数を減らしてくれる働きもあります。活性酸素は、外から侵入してくる細菌などを排除し、肌を安定した状態にする物質です。しかし、過剰に存在し過ぎると、肌に悪い影響を与えます。その悪い影響を防いでくれるのがメラニンなのです。
もしメラニンがなければ、紫外線によって肌の内側はボロボロになるかもしれません。さらに、活性酸素の影響によってさまざまな肌トラブルが起きるリスクも高くなるでしょう。このことからも、メラニンが肌にとって大事なものであることがわかります。
ただ一方で、メラニンには注意しておきたい点もあります。それは、増えすぎるとシミやくすみ、そばかすのもとになることです。
メラニンは肌のターンオーバーによって、周期的に外へ排出されます。しかし、その量が多いとターンオーバーの働きでも排出されにくくなり、肌に溜まっていきます。そうすると、溜まったメラニンが肌へ沈着していきます。
メラニンは色素ですので、沈着すると肌のトーンに変化があらわれます。いわゆるシミやくすみ、そばかすは、このメカニズムによって発生します。したがって、肌にとって大事な存在であるとはいえ、メラニンの増えすぎには気をつけなければなりません。
では、何が原因でメラニンは過剰に増えていくのでしょうか。それを説明していきます。
メラニンには「紫外線から肌を守る」という重要な役割がありますが、実は紫外線を浴び過ぎると大量に産み出されます。理由は単純で、紫外線の影響が続いている間、メラノサイトはメラニンの産生を続けるからです。そのため、紫外線の浴び過ぎには注意しなければなりません。
また、肌に刺激を与えることもメラニンの産生を促します。よくお風呂上がりにタオルで力強くカラダを拭いたり、肌を押し付けながらスキンケアを行なったりする方も多いですが、それによってメラニンの量は増えていくのです。シミやくすみ、そばかすなどを予防したい方は、この2つの原因に気をつけるようにしましょう。
メラニンは必ずしも悪者というわけではありません。正常に産生されれば、美肌に欠かせない存在になります。紫外線や活性酸素による肌トラブルを避け、安定した肌づくりを行なうためにも、メラニンの役割と過剰に増える原因はしっかり理解しておくことをオススメします。
今回の記事では、メラニンの役割についてご紹介してきました。シミやくすみ、そばかすのもとになるメラニンですが、過剰に産生されなければ、安定した肌をつくるうえで重要な働きをしてくれます。美肌を脅かすメラニンの過剰な増加を防ぐためにも、紫外線と摩擦には気をつけていきましょう。